医療費未払いを未然に防ぐ方法


医療費未払いに悩んでいる、病院は多いと思います。近年では、訪日外国人の医療機関の利用が増えていますが、訪日外国人による医療費未払いも増加し、問題となっています。

この記事では、医療費未払いを未然に防ぐ方法、訪日外国人への未払いを防ぐ方法、医療費未払いが発生した場合の対処法、について解説します。

医療費未払いを防ぐ方法

未払い予防の手段は、

  • 入院保証金を預かる
  • 連帯保証人をつける
  • クレジットカードを利用してもらう

などがあります。

入院保証金をあらかじめ預かる

「医療機関は、患者側への十分な情報提供、同意の確認や内容、金額、精算方法等の明示などの適正な手続を確保すること。」と厚生労働省の通達に記されています。
そのため、これらの点を踏まえた書面を作成し、患者に説明し、捺印をもらうことが必要です。
入院保障金には、大体5万円〜10万円程預かる病院が多いです。

連帯保証人を付ける

連帯保証人には、資力や収入がある人に連帯保証人になってもらいます。
連帯保証人をつけていれば、仮に患者が亡くなった場合でも、相続放棄されて医療費を誰にも請求することができなくなるといったことを防ぐことが可能になりますので、できる限り患者には連帯保証人をつけてもらいましょう。

クレジットカードを利用してもらう

クレジットカードをあらかじめ患者に登録してもらい、未払いが生じた場合に、カード決済ができる状態にしておきます。
しかし、患者が亡くなってしまった場合はカードが使えなくなってしまうのと、決算の際に限度額を超えてしまった場合は、決済できないので注意が必要です。

訪日外国人への未払いを防ぐ方法

訪日外国人については帰国してしまうと、連絡も取りにくくなります。また、督促状や裁判制度による請求も難しくなってしまいますので、医療費未払いを未然に防ぐ事が大切です。

具体的に、

  • パスポートをコピーし、身元を確実に把握する
  • クレジットカード番号を患者または患者の同伴者に登録してもらう
  • 入院保証金を預かり、退院時に精算する
  • 海外旅行保険への加入を確認する

などがあります。

海外旅行保険に加入している場合は、患者が病院にいるうちに保険会社に連絡をとらせて、保険会社から確実に支払いがされるかどうかを確認する必要があります。

医療費未払いが発生してしまったら

まず、医療費未払いが発生したらすぐに督促状を送りましょう。

督促しても支払いを無視されてしまったときは、「支払督促制度」と「訴訟手続き」という裁判手続きで回収する方法がとれます。

医療費の時効は3年ですので、未払いが発生したら早急に督促状の送付や支払督促など手段をとるようにしましょう。

医療費未払い患者の診察拒否は可能か

医療費未払いだった場合でも、医師には、応召義務が課されるので、診察拒否をすることはできません。病院は損するばかりになってしまいますので、事前に未払い対策ができるようにしましょう。

まとめ

医療費未払いは未然に防ぐ対策ができます。未払いになったままこじれてしまうと、余計に時間と費用がかかりますので、未払い対策を徹底しましょう。なお、患者の医療費未払いを含めた病院経営のトラブルに関して、病院やクリニックの顧問弁護士による無料相談というサービスもありますのでこちらを利用してみるのも良いでしょう。